怪傑アンパンマンのミュージカルでバイキンマン誕生の史実とは?

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NHK連続テレビ小説・朝ドラ「あんぱん」で北村匠海さん演じる柳井嵩は、大森元貴さん演じるいせたくやの提案によりアンパンマンのミュージカル「怪傑(かいけつ)アンパンマン」を制作することになります。

怪傑アンパンマンのミュージカルが制作されたのは実話?いせたくやのモデルいずみたくの提案だった?バイキンマン誕生秘話なども一緒に史実をご紹介します。

目次

怪傑アンパンマン誕生秘話とは?ミュージカルはいずみたくの提案だった?

アンパンマンの誕生

1969年にやなせたかしさんは、月刊「PHP」という雑誌に「十二の真珠」という短編童話を掲載していましたが、その第1話に「アンパンマン」が登場しました。

朝ドラ「あんぱん」にもこのおじさんは登場しましたね。

ソックリです(笑)

このおじさんアンパンマンは、あんぱんを届けていました。

4年後の1973年にフレーベル館の月刊絵本「キンダーおはなしえほん」で「あんぱんまん」を描いたやなせたかしさん。

このときやなせたかしさんは50歳になっていました。

フレーベル館で出版した「やさしいライオン」が大ヒットとなり、新しい作品が出版されることになったのです。

このときはアンパンマンがひらがなの「あんぱんまん」に変更されています。

何故ひらがなかというと、読者が2~3歳くらいの幼児であり、当時の幼児絵本のルールに従ったから。

そしてアンパンマンも、おじさんからパンに変わりました。

やなせたかしさんは「自分の顔を食べさせたら面白いのでは?」と思われたそうです。

やなせたかしさんはアンパンマンは小学2年生以上じゃないとわからないだろう、と思い悩みながら絵本を制作されました。

この時点でやなせたかしさんが思い描く「困ってる人に食べ物を届ける」と「逆転しない正義」を持ったヒーロー像は完成しています。

顔を食べられてしまえばパワーもなくなる。正義の味方は貧しいだろう、ということでマントもボロボロ。

おまけに顔もないので、世間からは受け入れられません。

最初は不評だったアンパンマン

「やさしいライオン」のような絵本を期待していた大人たちからはクレームが・・・。

パンが空を飛ぶなんてくだらない、顔を食べさせるなんて残酷だ、といった苦情がありました。

大人向けの連載「熱血メルヘン怪傑アンパンマン」もスタートしましたが、1年半で終了。

最初は評判が良くなかった「あんぱんまん」でしたが、出版から5年ほど経つと、幼稚園や保育園で一番人気のある絵本に!

注文が殺到し、図書館では貸出中が続くほどです。

多くの園では、あんぱんまんの本がボロボロになっていました。

シリーズを重ねるうちキャラクターも増えていき、やなせたかしさんご自身も子どもたちに大人気となります。

「怪傑アンパンマン」のミュージカル化はいずみたくの提案!

絵本のアンパンマンが、人気になってきたころの1976年。

友人のいずみたくさんがミュージカルにしたい、という提案が舞い込みます。

ミュージカルのタイトルは「怪傑アンパンマン」

いずみたくさんの稽古場に建てた100人ほど収容できる、六本木の「アトリエフォンテーヌ」で上演することになりました。

脚本と主題歌はやなせたかしさんが担当。主演はタレントの海野かつをさんで、海野さんは被り物姿で登場します。

ミュージカル「アンパンマン」は評判となり、全国に巡業をスタート。アンパンマンの人気も上昇していきました。

ミュージカル「アンパンマン」は現在も公演されています。

バイキンマン誕生秘話とは?ミュージカル怪傑アンパンマンががヒントだった?

ミュージカル「怪傑アンパンマン」も回を重ねるごとにブラッシュアップしていきます。

バイキンマン誕生秘話

ミュージカルの劇中で、やなせたかしさんはあることに気が付きました。

そう!アンパンマンには、わかりやすいライバルが欠けていたのです。

アンパンマンは食べ物。食品の敵は・・・ばい菌!と思いついたやなせたかしさん。

悪魔のような小人が槍を持つ、という菌

そんなイメージを戦前、田辺製薬でデザイナーとして働いていたときに思いついていて、ばいきんまんのデザインを完成させました。

本当にやなせたかしさんは引き出しが広い!

ばいきんまんの登場で、アンパンマンはぐっと面白くなった、とやなせたかしさんは語っておられます。

バイキンマン最初の登場は絵本

ミュージカル上演中に思いついたばいきんまん。

最初に登場したのは1979年の絵本『あんぱんまんとばいきんまん』でした。

ばいきんまんの思い付きについて、のちにミュージカル演出を担当していた藤田敏雄さんから「ばいきんまんというのは凄いね。普通思いつかないよ」と褒められたそうです。

ばいきんまんは1983年に上演された、2作目のミュージカル「とべ!アンパンマン-アンパンマンとおむすびまん-」から登場。

みんなの人気を集めるようになります。

バイキンマンの笑い声

ミュージカル上演で、ばいきんまんの笑い方をいろいろと試していたやなせたかしさん。

「ガギグゲゴー」「ラリルレロー」など試したところ、「ハヒフヘホー」で観衆は笑いました。

これで笑い方も決定です。

やなせたかしのバイキンマンへの思い

バイキンマンは敵キャラではありますが、憎めないどころか愛されキャラです。

変装してもバレバレですが、お人よしのアンパンマンやジャムおじさん、バタコさんらは気づきません。

失敗も多く、大事なところでポカをやらかし、結局は負けてしまいます。

誠実で明るい人には、ついペースを乱してしまうことも。

やなせたかしさんは100%悪い人も、100%善人もいない、と語っておられます。

アンパンマンも弱点があったり、負けたりすることもあります。

敵キャラでありなが、愛されキャラのばいきんまん。やなせたかしさんのそんな思いから作られました。

怪傑アンパンマンからアニメ化までの史実とは?

最初は絵本のアンパンマンで、幼児たちから人気となり、ミュージカル「怪傑アンパンマン」で全国的に人気が広がりました。

大人からは不評だったのに、なぜ幼児たちが気に入ったのかわかりません。

今後も幼児たちが気に入るという保証はありません。

そこでやなせたかしさんは、アンパンマンに本気のメッセージを入れることにしました。

正義とはなにか?
傷つくことなしに正義はおこなえない

自分の思う正義を、子どもたちに誠実に伝えたのです。

人気が広まっていったアンパンマン。複数のテレビ局や、アニメ制作会社からアニメ化の企画がありました。

ですがいつも最終段階で立ち消えに・・・。

ついに1985年、東京ムービー新社と日本テレビがほぼ同時にアニメ化を依頼します。

ですが日本テレビの条件をやなせたかしさんが拒否。放送は2年近くずれ込みました。

そんなこんなで、スポンサーに内定していた山関製パンが降板。

2クールの全24話で終わってしまうことや、昭和天皇の病状悪化による自粛ムードにより、宣伝やイベントなども十分にされませんでした。

不安だらけのアニメ「アンパンマン」がスタートしましたが・・・。

予想以上の高視聴率!文化庁からテレビ優秀映画の表彰もされ、1989年から放送期間と放送エリアも拡大されました。

現在も続く長寿番組となり、テレビアニメでは「サザエさん」「ドラえもん」に続く3番目の長寿アニメです。

1973年に絵本から始まった「アンパンマン」50年以上経ったいまでも、子どもたちのヒーローです。

まとめ

1973年に絵本で登場した「アンパンマン」。大人には不評でしたが、幼児たちから人気となります。

絵本が売れるようになり、いずみたくさんの提案によりミュージカル「怪傑アンパンマン」が誕生。

ミュージカルも1976年から始まり、現在も続いています。

劇中でライバルが必要だと思いついたやなせたかしさん。

バイキンマンを制作し、これが大当たりとなりました。

朝ドラ「あんぱん」のミュージカル「怪傑アンパンマン」、楽しみですね!

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