2025年からスタートするNHK朝ドラ「ばけばけ」で高石あかりさん演じるヒロイン・松野トキは養子(養女)ですが、モデルの小泉セツさんも同じなのでしょうか?
「ばけばけ」の松野トキが養子で誰が実母・実父なのか?ネタバレとともに、モデルの小泉セツさんの史実についてもご紹介していきます。
重要な以降のネタバレになるので知りたくない人は閲覧注意です。
朝ドラ「ばけばけ」の松野トキの家族・松野家とは?
2025年秋放送のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、明治時代の松江を舞台に、怪談好きな少女・松野トキの人生を描きます。
物語は、彼女が後に出会う異国の男性ラフカディオ・ハーン(のちの小泉八雲)とともに、怪異や伝承を深く愛しながら、急速に西洋化が進む時代の中で埋もれかけた名もなき人々の想いや記憶を掘り起こしていく姿を追います。
語られなかった声に耳を傾け、その心を言葉にして綴った夫婦の物語です。
松野トキと夫のヘブンのモデルの史実については、以下の記事でご紹介していきます。
主人公・松野トキが成長していく中で、彼女を取り巻く「松野家」の家族の存在が物語の重要な鍵を握っています。この“家族”がどんな人物で、どんな物語を背負っているのかではないでしょうか?
以降では、ドラマに登場する松野家の主要キャラクターを詳しくご紹介していきます。
ばけばけに出演する方々の、クランクインの様子を紹介します🎬
皆さんのドラマでの活躍をお楽しみに!#岡部たかし #池脇千鶴 #小日向文世 #福地美晴#ばけばけ #9月29日スタート pic.twitter.com/G0A3biDwX5— 朝ドラ「ばけばけ」公式|9月29日(月)放送開始 (@asadora_bk_nhk) September 24, 2025
| 役名 | 関係 | 演者 | 主な特徴・役どころ |
|---|---|---|---|
| 松野トキ | 主人公 | 髙石あかり | 怪談好きの少女、のちに小泉八雲の妻となるモデル |
| 松野司之介 | 父 | 岡部たかし | 武士のプライドと現実のギャップに苦悩する父 |
| 松野フミ | 母 | 池脇千鶴 | 神話や怪談に詳しい語り部タイプの母 |
| 松野勘右衛門 | 祖父 | 小日向文世 | “ラストサムライ”、武士魂を捨てない祖父 |
【主人公】松野トキ(演:髙石あかり)|物語の中心に立つ“怪談少女”
いよいよ明日から『ばけばけ』がスタートします!
生きにくい世の中をうらめしく思いながらも、日々をなんとか生きていく主人公・松野トキを、どうか見守ってください。#髙石あかり#ばけばけ #9月29日スタート pic.twitter.com/DqAcJbGZSL
— 朝ドラ「ばけばけ」公式|9月29日(月)放送開始 (@asadora_bk_nhk) September 28, 2025
トキは、没落士族・松野家に生まれた感受性豊かな少女です。
時代の変化に取り残された家庭環境の中で、母フミの語る神話や怪談に親しみながら成長します。
後に出会う外国人・ヘブン(モデルは小泉八雲)との交流を通して、トキは「語り部」としての使命を見出していきます。
「家族はトキにとっての世界そのもの。守るべき大切な居場所」(高石あかり・コメントより)
トキの成長物語の出発点は、まさに松野家という“家族”の土台にあります。
【父】松野司之介(演:岡部たかし)|プライドと時代に挟まれた不器用な男
司之介は、松江藩の上級武士だった過去を持つ誇り高き父親です。
しかし明治維新により士族制度が崩壊し、職も収入も失った彼は、現実に適応できずに苦悩します。
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金の稼ぎ方がわからない
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娘トキに「かっこいい」と思われたい
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武士の誇りだけで生きてきた
岡部たかしさんによれば、
「“ちゃんとせんかい!”とツッコみたくなるような不器用な父ですが、そこが魅力」
と語られています。
司之介の葛藤は、父親像の変化と、男のアイデンティティの揺らぎを象徴する重要なテーマです。
【母】松野フミ(演:池脇千鶴)|神話と生活のはざまで娘を導く存在
フミは、出雲大社の上官の家系に生まれ育った女性。
幼いころから神話・怪異・死霊・生霊といった目に見えないものの話を自然と受け入れてきたバックグラウンドがあります。
そんな彼女が娘・トキに伝える言葉の数々は、トキの怪談好きな性格を形成し、のちの人生にも大きな影響を与えます。
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しっかり者で家計を支える内職担当
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時代の変化に戸惑いながらも前向き
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トキの「物語を愛する心」の原点
池脇さん自身は約20年ぶりの朝ドラ出演で、
「このドラマは、明るくて楽しくて、肩の力を抜いて見られる作品」
とコメントしており、優しさと芯の強さを併せ持つ母親像に期待が高まります。
【祖父】松野勘右衛門(演:小日向文世)|武士を貫く“最後のサムライ”
勘右衛門は、幕末を生き抜いた本物の武士。
時代が明治になった今でも、「いざという時に日本を守るのは自分だ」と信じ、剣の稽古を続けています。
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丁髷に着物、木刀でトレーニング
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武士道を今なお誇りに思っている
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孫・トキにはとことん甘い
制作統括によると、
「厳しさと可愛らしさが共存するキャラクター。小日向さん以外には考えられなかった」
とのこと。
勘右衛門は、古き良き日本の精神の象徴として、物語に重厚感を加えています。
松野家の家族が物語にもたらすものとは?
松野家は、一見すると“古臭い家族”かもしれません。
しかしその中にある、親の不器用な愛、祖父母の伝承、子どもの感受性は、現代の視聴者にも通じる普遍的なテーマです。
| 役柄 | 象徴する価値観 |
|---|---|
| 司之介 | プライドと喪失感 |
| フミ | 語り継がれる知恵と愛 |
| 勘右衛門 | 武士道と時代の誇り |
| トキ | 次世代への受け継ぎ |
「家族」とは、単に血縁でつながる存在ではなく、価値観や経験を共有し、乗り越える共同体である。
そう語りかけるような、松野家の描写が『ばけばけ』の土台を支えているのです。
そんなヒロイン・トキの家族ですが・・・なんとトキは実の娘ではなく、養子にもらった子供だった!?ということで、以降で今後のネタバレをご紹介していきます。
松野トキは養子【養女】だったネタバレとは?実母と実父は誰?【閲覧注意】
松野家は没落!極貧生活へ!
以降では、重要なネタバレをご紹介するので、知りたくない人は閲覧注意です。
松野トキは、松江の上級士族・松野家の一人娘で松野家でかわいがられて、育ちました。
しかし、明治時代になり武士の世が終わると、一家は没落し、父親の司之介は無職(+_+)母親のフミが内職でお金を稼いでどうにか生活する極貧生活を送ることになります。
そんな松野家の遠縁に松野家よりも家格の高い、雨清水家(うしみず)があります。雨清水家の当主は雨清水傳。
『#ばけばけ』で #堤真一 さんが演じるのは、上級武士の雨清水傳(うしみず でん)。
松江藩で名をはせる雨清水家は、松野家の親戚にあたります。貫禄がありつつも優しい佇まいの傳さんは、トキや松野家だけでなく、松江の士族にとってとても大きな存在です。#9月29日スタート pic.twitter.com/y0gjIk4JwB
— 朝ドラ「ばけばけ」公式|9月29日(月)放送開始 (@asadora_bk_nhk) September 10, 2025
そして妻のタエは正真正銘のお姫様育ち。トキはこの家に子供のころからお茶のお稽古などに通っていました。
雨清水(うしみず)タエ:#北川景子
松江でも随一の名家に生まれ、大勢の女中たちに囲まれながら何不自由なく育った。凛とした気品と厳しさを兼ね備える。
親戚であるトキにも、礼儀作法やお茶など武家の娘としての教養を厳しく教えている。#ばけばけ #9月29日スタート pic.twitter.com/NjAD5YVTnJ— 朝ドラ「ばけばけ」公式|9月29日(月)放送開始 (@asadora_bk_nhk) August 6, 2025
またトキは18歳になると、家の借金を返すために、雨清水傳が営む織物工場で働いていました。このように、親戚とはいえ、松野家にとって雨清水にとって格上の存在でしたが、トキのことを夫婦で気遣ってくれていました。
実母と実父・そして養子だったことをトキが知る!
そして18歳のトキはあることがきっかけで、自分が養子だったこと、養女だったことを知ります。
ある日、雨清水傳が激しくせき込んで吐血し、倒れてしまいます。妻のタエはお姫様育ちなので、おかゆを炊いたり満足な看病ができないことから、トキが普段からお世話になっているということで、看病をすることに。
毎日のように、仕事と看病で帰りが遅いトキに心配になってくる司之介とフミ。
一方、雨清水傳とタエは、熱心に看病してくれるトキに親としての情が表に出そうになるのをこらえていたのでした。
そう!なんと実の父親と母親は雨清水傳とタエだったんです!
そのことを話していた雨清水傳とタエの会話を聞いてしまったのは、2人の息子の雨清水三之丞(板垣李光人)。
トキのことをいとおしく思っている2人に嫉妬した三之丞が、トキの前で傳とタエが実の両親であることを暴露してしまいました。ところが「知っていました。誰かに聞いた訳ではございません。自然と」と答えます。
そう、、なんとなく察していたトキ。そんなトキに傳は「お前はわしと、おタエの子ではない。司之介とフミの子じゃ」と言います。するとトキは「そのことも知っています」と答えるのでした。
このように、トキは松野家の養子だったことがわかります。以降ではモデルの史実についてご紹介していきます。
小泉セツが養子に出された背景とは?史実とは?
小泉セツは生後7日で養子に出された
セツが誕生したのは、1868年の慶応4年2月4日。
松江藩士の小泉湊とその妻・チエとの間に誕生しました。
節分生まれだったことから、セツと名付けられました。
ところが、セツは生後わずか7日で稲垣トミの養女になっています。
この事実は、小泉セツに関する伝記、書籍、資料などにも記されている有名な話です。
実の両親から稲垣家に養子に出された理由とは?
松江藩士・小泉湊とその妻チエの間に誕生したセツが生まれてすぐに小泉家から親戚筋の稲垣家へと養子に出されます。
なぜこのような形になったのでしょうか?背景には家系と人数のバランスがありました。
| 小泉家 | 稲垣家 |
|---|---|
| 藩士の家系(士族) | 同じく士分の家系 |
| 既に複数の子どもがいた | 子どもがいなかった |
| 生家としての責任を果たすため | 跡継ぎが必要だった |
小泉家には既に子どもが何人もいたのに対し、稲垣家は子どもがいない状況。
両家は親戚関係にあり、事前に「次に生まれた子を養女にする」という話し合いがなされていたと言われています。
その結果、セツは生後7日という早さで稲垣家へと迎え入れられたのです。
稲垣家は養女のセツを迎えて大喜びしたそうです。
そして、一家をあげてセツを可愛がっていたことがわかっています。
また、もらい受けた、小泉家が身分の高い家だったことから、その家で生まれたということで「お嬢」と呼んで育てたそうです。
セツの実母・実父の小泉家
セツが生まれた小泉家は代々三百石を食み、50人の組士の侍を統率する番頭を務めてきた家柄でした。
松平出羽守に仕えて出雲・隠岐の民30数万人を支配したおよそ3千人の侍の中で足軽などを除くいわゆる士分の侍(本土)はほぼ1000人を数えたものでした。
その中でも家老、中老、番頭の三職を務める家は約50家あって、上士と呼ばれて藩公への御目見えが許され、また広く敬意の目で仰ぎ見られる、そういった由緒ある家だったことがわかります。
セツの実の父親は小泉弥右衛門湊(こいずみやえもんみなと)。セツが生まれた当時は31歳で、前の年に家督を継いだばかりで、小柄ながらも意志強固でしかも覇気に富んだ侍でした。
一方、実の母親のチエは、当時満30歳になっていて、御家中一番の器量とほめたたえられていた美人でした。
また花嫁として小泉家で迎え入れらるまで、実家の広大な屋敷の1人娘として30人近くの奉公人に囲まれて育った女性でした。
小泉家も稲垣家も困窮していく
幕末から明治へと移り変わる中で、武士の特権を失った多くの家が経済的に行き詰まりました。小泉家も稲垣家も例外ではなく、どちらの家も徐々に困窮していきます。
稲垣家は事業に失敗して多額の負債を抱え、小泉家も営んでいた機織会社が倒産。セツは行き場を失い、ついには名跡が絶える危機にあった小泉家へと復籍することになります。
その結果、彼女は養父母や養祖父だけでなく、実母の生活までも支えるという重い責任を背負う立場に置かれました。
生活のために懸命に働き続けたセツは、女中奉公をしながら家族を支える日々を過ごします。そうした苦労の中で運命的に出会った人物こそが、後に夫となる小泉八雲でした。

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